#読書

クロノスの飛翔 中村弦

届け、この思い。 明日の日本のために―― 一羽の伝書鳩が運んできた50年前のSOS 時を越えて二人の男をつなぐ奇跡の行方は?(Amazonの内容紹介より) 面白かった。著者はファンタジーノベル大賞の気鋭だそうですが、舞台となる新聞社の描写が現実的なの…

熊と踊れ アンデシュ・ルースルンド 、 ステファン・トゥンベリ

スウェーデンで実際におこった強盗事件をもとに組み立てられた小説。犯罪小説と思っていたら切ない家族の物語だった。お兄ちゃんが何度も銀行を襲ってまで欲しかったのはお金ではなく家族だったのか…。 犯人視点と警察視点交互に進むけれど犯人側に感情移入…

またの名をグレイス マーガレット・アトウッド

現代カナダ文学を代表する作家さんとのことですがこの作品で出会うまで存じ上げませんでした。本書は実際の事件に基づいたフィクションだそうです。 わずか16歳でご主人様と先輩メイドを殺した罪で投獄されたグレイス・マークス。一緒に逮捕され絞首刑となっ…

天国でまた会おう ピエール・ルメートル

フランス内外でさまざまな賞を取りまくりの話題のミステリ作家ピエール・ルメートル。 『その女アレックス』でこの人と出会ったときの衝撃は記憶に新しい。物語の面白さ、ハラハラドキドキな手に汗握る展開、ゾッとする雰囲気、なんとも言えない読後感。 出…

2016年の読書記録

2016年の読書メーター 読んだ本の数:43冊 読んだページ数:15750ページ ナイス数:35ナイス http://bookmeter.com/u/43579/matome_y?invite_id=43579 ■クオ・ワディス〈下〉 読了日:12月23日 著者:シェンキェーヴィチ http://bookmeter.com/b/4003277031 …

2015年の読書記録

2015年の読書メーター 読んだ本の数:48冊 読んだページ数:18367ページ ナイス数:39ナイス http://bookmeter.com/u/43579/matome_y?invite_id=43579 ■悪医 読了日:12月31日 著者:久坂部羊 http://bookmeter.com/b/4022511257 ■教団X 読了日:12月26日 著…

月下上海 山口恵以子

舞台は戦時下の上海。時代も場所も小説の題材として好物で楽しく読みました。松本清張賞受賞作ということで社会派かと思いきや描かれる多江子の人生は恋愛、スキャンダル、弱みを握られスパイをやらされる...といかにも昼ドラあるいは昔の少女漫画的。物語も…

鸚鵡楼の惨劇 真梨幸子

わたしはこれ、フジコより面白かった! 真梨さんお得意の嫌な人達、最後にこれでもかと次々明かされる仕掛け、それらがフジコでは効果的な分量を超えて過剰に感じたのですが本書はそのへんが丁度良かった。もちろんミステリだしトリック、仕掛けありきでその…

花園の迷宮 山崎洋子

三津田信三「幽女の如き怨むもの」が面白くて、その書評、感想をあちこち見て 回っているときに何人かの人が同じ遊郭を舞台としたミステリとしてあげていた 本書。物語に入り込み易くてぐいぐい最後まで読ませてくれました。 黒幕が誰かは察しがつくものの、…

【追悼】黒い仏 殊能将之

今邑彩さんの訃報の驚きもさめやらぬある日、Twitterを見ていて我が目を疑い ました。「殊能将之氏が今年2月11日に亡くなりました。」いやいや~、これま た殊能さんのネタなんじゃないの~?別のペンネームで生き返ったりするんじゃ ない?と思い…たかった…

彼女の血が溶けてゆく 浦賀和宏

片付けられない&捨てられない人なので物を増やしたくなくて、かなり好きな作 家さんの新刊すら最近は図書館で済ませるのですが、本書は浦賀さんが新宿紀伊 国屋書店でサインしてきたとツイートしていたので思わず翌日仕事帰りに買いに 走ってしまいました。…

無菌病等より愛をこめて 加納朋子

Twitterで貫井さんをフォローしているので貫井さんが大事な授賞式の前に怪我 されたことも知ってるし貫井さんの新刊情報等は目にしていたけれど奥様である 加納朋子さんが大病されてこんな大変なことになっていたとはつゆ知らず! 世の中に闘病記はあまたあ…

明日の空 貫井徳郎

屍者の帝国を読むのに二週間近くかかってしまい、何か一日でするっと読めるも のを読みたいなあ、と手にとった久々の貫井さん。 あああ!やられた!そういうことか! 内容に言及するのが野暮なタイプの作品と言ったらネタバレでしょうか。 こういう章の区切…

屍者の帝国 伊藤計劃×円城塔

伊藤計劃の絶筆を円城塔が書き継いだことで話題となった作品。 屍体が動いて労働用から軍事用まで幅広く活用されている世界というSF的なイン スピレーションを伊藤氏が残して、あとはテーマから物語の細部に至るまで、ほ ぼほぼ円城作品なのかな、という印象…

プラチナデータ 東野圭吾

ひがぴょんのノンシリーズからもう一冊。 DNAとかコンピューターのこととか難しいことをこれだけ噛み砕いて解り易く書 いてくれる。東野人気の秘密だと思いました。主人公が関わっている専門分野の 説明部分でも読む速度を落とさせない。ぐいぐい読める。エ…

傷痕 桜庭一樹

やっぱり桜庭さんはいいね!女性作家の中ではダントツ好きだ。主人公の名前が 「傷痕」っていうだけでもう「桜庭節~!ほああ~~!さすが~~~!」ってな りました。 言わずと知れた実在の大物の死をモチーフとしてここまで自分の物語に引っ張っ て来ちゃ…

パラドックス13 東野圭吾

読んでも読んでも未読のあるひがぴょん。ガリレオ新作と言われれば目にもつく がノンシリーズ系は読み落しがち。そんな中からの一冊。 13秒の矛盾に変わってしまった世界を生き抜く13人の物語。SF的でもあり、13秒 の謎はミステリ的でもあり、パニックサバイ…

まだ恋ははじまらない 蘇部健一

皆大好きソブケン新刊。復習しておきますと、ソブケン作品にはいくつかカテゴ リーがあって、ミステリ系、恋愛もの系、ジュブナイル系、とんかつ系。本書は タイトルからも解る通り恋愛系。 恋愛系とはいえそこはそれ、もともとが一筋縄ではいかないタイプの…

少女不十分 西尾維新

鮮烈だったデビュー作含む戯言シリーズ、JDCトリビュート、人間シリーズを それぞれ数冊ずつというファンと言えるのかどうか中途半端な冊数しか読んで いないけれどファンだと言い張ります。言い張りますよ! 今まで私にとっての西尾作品って「よし、今から…

ブック・ジャングル 石持浅海

健在だよ。石持節は今日も絶好調。 訳合って閉館後の図書館に忍び込んだら毒針装備したラジコンヘリが執拗におっ かけてくるよおおお!壊しても次から次へとヘリが出て来るよおおお。というコ ワイコワイなお話。登場人物達の恐怖も伝わって来るし図書館とい…

消失グラデーション 長沢樹

どこかで話題になっていたから予約したと思うのだけど回って来た時にはなんで 予約したのか忘れてました。誰だったか感覚の合う読書家さんが褒めてたんだと 思うんだけど。 最近集中力がなくて本を読んでも挫折率が高いのですが、これはペースダウンも 中だ…

ゴーグル男の怪 島田荘司

刊行当初にいくつか酷評を見た記憶があって、あまり期待せずに読みました。島 荘は時々ものすごく外すしね。(犬坊里見とか..。) あれ?思っていたより全然面白かったよ?という感じ。核燃料製造会社が舞台の これは311のあと書かれたものなのかな?私は311…

CUTE & NEET 黒田研二

くろけん氏のほのぼのサイド。ニートのおじさんとこまっしゃくれた賢い姪っ子 ちゃんの共同生活物語。成長譚と言っても成長するのは五歳児じゃなくてニート のおじさんの方っていうのがユーモラスですね。 いくらなんでもこの子幼稚園児にしては賢すぎだろー…

蟻の階段 麻見和史

あれれ、またしても既読感。ヴァニタス画の出て来るミステリー最近読んだよな あ。何だっけ。美術ミステリ一杯読むからなあ。岸田るり子かな? 塔子が都合良く犯人に遭遇しすぎなのはご愛嬌か。このシリーズはどれもきちん とテーマがあって犯行動機、犯人の…

ウィンター・ホリデー 坂木司

長いよ~、厚いよ~、読んでも読んでもまだ先があるよ~。 このシリーズに求めているのは重厚な読書タイムじゃなくて軽い読み物感なんだ からこの分量なら二冊に分けて欲しい。と不満を感じつつ読んでいたのですが、 最終話でそんな不満も長い厚い疲労もふっ…

水晶の鼓動 警視庁捜査一課十一係 麻見和史

これ前に読んだっけ?と一瞬思いましたが、いいや、そんな筈は。似てるんです ね^^;シリーズ過去作と。事件も内容も全然違うんだけどおなじみの登場人物 達の会話なんかが既読感を生む。それだけキャラがきちんと立っていて私の中に も定着したということ…

モルフェウスの領域 海堂尊

時代の流れを感じました。自分が子供の頃冷凍睡眠なんて医療の領域ではなくSF の範疇だった。それこそ成功するか否かの苦労譚でも小説になったでしょう。で も、今やコールドスリープはSFでもファンタジーでもなく医療ミステリに出て来 ちゃって、それを選ぶ…

ファイナル・オペラ 山田正紀

ミステリ・オペラは未読。マヂック・オペラは2/3まで進んだところで止まった まま。そんな状況で手を出してしまったファイナルオペラ。娯楽系の軽いミステ リとは違ってそれなりに歯ごたえがあり、読了までかなりの時間を要したし、結 果全てをきちんと理解…

心星ひとつ みをつくし料理帖 高田郁

作者にこう言いたい。アンタ、ドS!?と。 連載で読んでいれば丁度良いのかもしれないけれど、文庫になってから一日で一 気に読むと、まあこの作者ったら次から次へと立て続けに澪に重大な決断を迫る こと迫る事。日々の仕事を真摯にこなしながら悩みまくる…

立花美樹の反逆 THANATOS 汀こるもの

なんだかすっかり安定したなー。 双子と高槻と湊が動いていればそれだけである程度面白い。安心して読める。 勿論キャラ頼みだけではなくて物語も真相もとても面白かったし、あちらこちら にこるものさんのするどい宗教観や魚蘊蓄が挟まれてなるほどと満足。…