歌舞伎が無形文化遺産に...

 歌舞伎がユネスコ無形文化遺産に選ばれました。

 本来目出たい事なのでしょうし、その事によって歌舞伎にどんな
影響があるのかはよくわかりませんが、この言葉を聞いた時、私は
とっても寂しかった。「遺産」って...。

 私は日頃から歌舞伎はコンテンポラリーな商業演劇であると主張
しています。若い役者も若いファンもいっぱい育っているし、人気
の公演はチケットを取るのにも苦労する。それなのにブログで歌舞
伎の記事を投稿すると「伝統芸能」というカテゴリーに投稿するこ
とになってしまいます。どうして普通の演劇じゃあいけないんだろ
う?歌舞伎を四季や宝塚と同じものだと私は思いたい。「伝統芸能
というカテゴリーに押し込めて保護しようとしたり、芸術的側面を
讃えてあがめると歌舞伎はとたんにつまらなく、遠い存在になって
しまいます。それこそが歌舞伎の衰退に繋がってしまうのではない
でしょうか?

 「歌舞伎?高校の頃学校で観に行ったけどつまらなくて寝ちゃっ
たよ。」こういう人、ものすごく多いです。何故学校で観に行く歌
舞伎はつまらないのでしょう?それは学校が歌舞伎を伝統芸能であ
り芸術であるととらえているからではないでしょうか。劇団四季
ミュージカルだって、「これは伝統。保護しましょう。後世に伝え
ましょう。」なんて言われて「これを観てレポートを書かなきゃ」
と考えながら観たら面白くないでしょう?

 歌舞伎を単なる商業演劇だととらえてみませんか?難しく考える
必要はありません。もっと好きなバンドのライブやハリウッドの娯
楽大作映画を観に行くのと同じ感覚で気軽に観に行って楽しんで欲
しいなあ、と思います。