2006-02-01から1ヶ月間の記事一覧

僧正の積木唄 山田正紀

ヴァン・ダインと横溝正史へのオマージュ。ヴァン・ダインの 「僧正殺人事件」は未読ですが十分楽しめました。アメリカ時代の 金田一耕助は「本当にこんな感じだったんだろうなあ〜。」と違和 感がありません。金田一耕助を登場させることを快諾したという横…

水の迷宮 石持浅海

表紙に「胸を打つ感動と美しい謎」とありました。優れたトリッ クの後に取って付けた様な感動オチがくると一気に醒めるアンチ感 動モノの私ですが、さすがにこれだけ話題になっている人の作品。 ミステリブログを続けて行く上では避けて通れまい、とがんばっ…

千年岳の殺人鬼 二階堂黎人・黒田研二

一読ではよく分からず、ラストからすぐまた最初のページへ戻って 読み直してしまいました。こまけぇ〜なあ〜。二回読み終わった今 も完全に全てを分かっていないです、私。拾い落としてる伏線もた ぶんある。種明かしで「成る程なあ〜」、と思いましたが、面…

残虐記 桐野夏生

重いんだろうなあ、後味悪そうで嫌だなあと思いながらまた手に とってしまいました。桐野夏生です。 本書もグロテスクと同じく実際の事件をモチーフにしているとあ ちらこちらで書かれていますが、グロテスクに比べると創作の度合 いが高く、自分の中ではフ…

鬼頭家の惨劇 折原一

ああ、そういう事なんですね。某作品を読んでいまいちすっきり しなかった部分がいろいろと明かされました。どちらも薄い作品な ので、だったら「倒錯の帰結/首吊り島」みたいに一冊にまとめて くれりゃあいいじゃん!という気もしました。たぶんあの作品を…

冷たい密室と機械たち

カレー師匠のはぴいさんが「ちいさな機械たち」という記事を書 いておられました。(トラックバック先参照。)その書き出しを勝 手に引用させていただきますと「男子はなんでこういう小さい機械 が好きなんでしょうかねえ。」 ...。すいません。女子です…

猿島館の殺人 折原一

折原作品っぽくないですねえ〜。キャラもの、って言うんでしょ うか?折原キャラに萌える、とかありえない感がありますが。でも キャラを立たせようとしてるんだろうけどあまり好きになれない キャラ達...。折原作品に求める路線とだいぶ雰囲気が違うので…

中国花茶の謎

お友達のMさんから封書が届きました。なんだか妙にふくらんで います。彼女は過去にも缶バッヂだったり私が好きなミュージ シャンのポストカードだったり、お手紙におまけをつけてくれたこ とがある人なので今回も期待に胸が高鳴ります。 良い香りのお茶が出…

包丁人 轟桃次郎 鯨統一郎

ソリマチアキラのかわいい絵に騙されて恐いものを読む心構えを せずに読んだら結構痛くてブラックでした。予想以上に面白かった。 似た様な話の連作短編集なので途中で飽きそうな気もするんですが なんかやめられない。水戸黄門みたいなノリで読んでしまいま…

師匠に負けじと買う

近所の古本屋さんですごい掘り出し物をみつけました。昭和53 年、1978年の文春の別冊、歌舞伎特集です。 猿之助のインタビューは読みごたえがあるし、團十郎も菊五郎も 玉三郎も若い!(うっとり。)福助と橋之助は少年だし、(かわい い。)勘三郎の写真に…

ガラス張りの誘拐 歌野晶午

途中ずーっと歌野作品っぽくないな〜と思いながら読みましたが、 終わってみると「おお!やっぱり歌野晶午だあ〜。」と納得しまし た。そんなオチだとは思ってもみなかったです。私、もしかして鈍 いですかね? 動機が決して弱いという訳ではないのですが「…

樹海伝説 騙しの森へ 折原一

同じ作家ばかり続けて読むと混ざるのでしばらく折原はやめよう と思っていたのにまた読んじゃいました。げにおそろしきは叙述の 魔力。 樹海の山荘で家族を殺して失踪した作家。事件の真相をさぐるべ く森に入って遭難した若者。事件から10年後、その若者の…