2007年 8月 歌舞伎座納涼歌舞伎 第三部

 土曜日は亀三郎の歌舞伎外活動に参戦。客席に松緑と亀寿の姿を
見てこの夏一番テンションが上がり、興奮さめやらぬまま翌日曜日
は納涼歌舞伎。中村屋です。

裏表先代萩


 そもそも伽羅先代萩という演目が見所満載で面白いのですが、そ
れに裏側の物語をつけて交互に見せる、中村屋が。面白いに決まっ
てます。勘三郎三津五郎、市蔵、扇雀、と今一番あぶらののった
世代の見応え抜群の競演が素晴らしかったです。

 勘三郎はまず下男小助で登場。これぴったりの配役だよねえ、っ
て思いますが、続いて登場の政岡も弾正もいいんですよ。政岡なん
玉三郎の最高のを観ちゃってますからちょっとやそっとじゃ驚か
ないよ~。と思ってたけど勘三郎も良かったです。一人の役者が三
役三様の芝居で魅せる歌舞伎の醍醐味を堪能。

 今年に入ってからホームラン連発の三津五郎も良い!品格があっ
て大きい芝居。こういう人がいて若手を育てて行けば21世紀の歌舞
伎も安泰だと思います。市蔵も大熱演。大詰、ここに頼れる役者が
どんと構えているから勘三郎演じる弾正も思い切って行けるんです
よね。あの見得の応酬、もう一回観たい。

 若手は凛々しい松也と美しい七之助が好演。七之助は高貴で中性
的な魅力が遺憾なく発揮されていました。あんな役もこんな役も
やって欲しい、と観客の想像力をふくらませる不思議な役者です。