砂漠の薔薇 新堂冬樹

 なぜ主人公は彼女との付き合いを続けるのか。

 もうね、こういう友人って無理ですよ。一生この関係は変わらな
い。彼女を超えようとか関係をどうこうしようということ自体が無
理。不毛。仮に彼女が改心してのぶ子を対等に見るようになったと
しても見下されていた過去は消せません。「それでも縁を切れない
のぶ子」「彼女に勝つ事に夢中で廻りが見えなくなっているのぶ子」
愚かで、痛い。

 一番私が嫌いなのはこの本を読んで「身につまされる」とか言う
輩です。そういう感想を言う人が一番のぶ子を追いつめた人達と同
一種族って感じがします。なんか嫌な後味の悪さです。「後味の悪
さ」に良いも悪いもあるか、って話ですが後味の悪さを楽しめる本
というのもあるんですけど、本書は楽しめない後味の悪さだったと
いうことでご理解下さい。

 星2個。