二月 博多座 昼の部 その二

 昼の部最後の演目は

蘭平物狂

 これが観たくてわざわざ博多まで来ました!

 襲名興行の時よりだいぶこなれていました。海老蔵助六、菊之
助の弁天小僧と同じ意味合いを持つ松禄にとっての蘭平。本当に
「似合う」役です。イキの良い奴、迫力の大立廻り、松禄の魅力が
存分に生かされていて嬉しくなりました。

 お待ちかね亀三郎、重要な役です。いっぱい台詞もあって美声を
堪能。地味な与茂作姿から大詰め正体を表して高貴な裃姿に変わっ
ての登場にはあまりの格好良さにため息が漏れました。

 菊之助が行平というのは花形歌舞伎ならではの配役。歌舞伎座
本興行なら彼等の父親クラスのベテランが演じるところです。品が
あってなかなか良かった。松也も美しい明石で華を添えてくれまし
た。

 ストーリーも面白いし何よりこの考えぬかれて練り上げられた立
廻りの素晴らしさ!エンターテイメントです。歌舞伎を堅苦しい
統芸能だと思っている人には是非こういう演目を観て欲しいな〜。