2007年3月 歌舞伎座 夜の部 その二

川連法眼館


 まず声を大にして言わなければならないのが、「福助さんの静が
うっつくしい!!!」。垂涎の綺麗さで目の保養になりました。貫
禄もたっぷりでガキには出せない大人の美です。

 菊五郎佐藤忠信の時はさすがの格好良さ。でも源久郎狐は若干
重かった。芝居が重いの意ではなく重量が。猿之助の狐や、雁治郎
の人形振りなんかは「人ではない何か」になった瞬間大人の人間の
重さを感じさせない動きになるのですが...。

 この役は難しいですね。どうしても誰もが猿之助と比べてしまう
もの。猿之助の狐は宙乗りや早変わりのケレンの部分ばかり取り上
げられますが、子狐の愛らしさ、親狐を思う切なさ、そういう根っ
この部分の芝居が素晴らしかったんです。猿之助の狐、大好きでし
た。もっと観たかった。あれを継げるのは亀治郎さんしかいないと
思うのですが、亀様が狐を演る予定はないのでしょうか。

奥庭


 めずらしいですね。なんでこれいつもやらないんでしょう。最後
に勢揃いして絵面の見得、って良いですねえ。本当に浮世絵みたい。