タロットカード殺人事件

 映画に私が求めるものってスペクタクルや感動や大恋愛、じゃな
いんです。ちょっとした笑いや毒、切なさのある軽めの洒落が効い
た映画が観たいんだなあ。 だから好きなんです。ウディ・アレン
ウィット、ペーソス、アイロニー、愛すべき荒唐無稽さや馬鹿馬鹿
しさ。そんな様々な要素のバランスが本作も抜群に私のツボでした。

 前作マッチ・ポイントに続いてのスカーレット・ヨハンセン起用。
ウディおじ(い?)ちゃん、スカーレットが気に入っちゃったんです
ね。前作では生来の魅惑的な色っぽさばかりが印象的だった彼女。
本作ではちゃんと芝居してました。ダサ色っぽいジャーナリスト志
望の学生を熱演。若さ故に向こう見ずで、時に愚か。でも憎めない。

 対するウディ・アレンもいいわー。飄々とした手品師。早口なん
だけど吃りで、スカーレット演じるサンドラにさんざん翻弄され、
行動には突っ込みどころが満載なんだけど、こちらも憎めないキャ
ラ。

 ル・シネマが場内飲食禁止なのが痛い。これは仕事帰りにワイン
かビールでも飲みながらリラックスしてガハガハ笑いながら観たい
映画ですね~。

 星4.5個。