2008年 2月 歌舞伎座 夜の部 その二

?H3>熊谷陣屋

 高麗屋さんの首実検もの。こういう渋い演目の良さがわかるには私はま
だあと何年もかかりそうです。高麗屋さんの熱演、というか妙なタメ、に
入り込めずいつも眠ーくなってしまいますが、今回は代役で登場の福助
演で眠くなりませんでした。芝翫代役の福助は二度目です。以前もあまり
の完成度に代役とは信じられませんでしたが今回も素晴らしかった。あと
はやっぱり四天王♪台詞も少なく、大道具にとけ込んで背後に控えるだけ
の弟亀寿と松也たん、宗之助を観ているだけでドキドキ幸せでございます。
なんと美しい四天王であろうか。ムフ~。

?H3>春興鏡獅子

 年開けてからブンブン髪振りっぱなしの染高麗。

 成田屋音羽屋も非常に息子を世に出そうと尽力していて、自分が脇へ
下がって子を前面に出す、という演目を数多く演っていますが、高麗屋
あまりそういうことをしない印象。なんかいつもラマンチャは息子よりも
オレがオレが、って感じがしてしまう。

 ずっとそれはラマンチャが俺様な人なのかと思っていたのだけど、ここ
二ヶ月の染高麗のがんばりを観ているとそれが吉と出ている様な気がする。
お膳立てしてもらえないから自分で考えてもがいて新しい事にチャレンジ
して這い上がろうとしている染高麗の気概が強く伝わって来るのだ。そこ
まで計算してラマンチャ高麗はオレがオレがしていたのだろうか。真意は
わからないけど染高麗を応援したい、と思い始めました。

 胡蝶の子役も巧くて楽しめる一幕でした。