2008年　5月　歌舞伎座團菊祭　昼の部　その二

　三津五郎の踊りは上品だなあ。色気とか滑稽味とか可笑し味の出し加減
が控えめで素敵なのだ。これぞ軽妙洒脱。時蔵さんの美しさと相まってと
ても楽しめる舞踊でした。

　所化の面々の踊りも堪能。華やかに若手が一杯出て来て豪華。姿勢の良
い巳之介君の凛々しい佇まいが印象的。普段このテの幕は亀三郎を追うの
に一生懸命で他のことがあまり見えないけれど今月は全体を観ることが出
来ました。（笑）

　
　う〜っ、面白かった！長兵衛の子分達がとっても良い。海老蔵もリラッ
クスしているし皆の息も合っていて、テンポが良く楽しめました。すわ、
といきり立つ皆をいさめる團十郎。ちゃきちゃきした風味の菊五郎世話物
に團十郎のこの鷹揚としたキャラが入ると何とも言えず良いんだよなあ。

　意外な所でゴージャス配役藤十郎が登場。控えめに團十郎を立ててしっ
とりとした印象を残しました。さすが上方歌舞伎のドン...。

　最後はやっぱりこの人が出て来ないと締まらない、菊五郎と彦三郎、團
十郎の湯殿での立ち回り。やっぱり大御所は「形が決まる」というかザ・
カブキ、という満足の幕切れ。

　今年の團菊祭は久々に出し物や配役のバランスが良く「どの幕が良かっ
た」ではなく「團菊祭」というイベント全体を祭りとして楽しめました。
最初は夜だけのつもりだったけど、昼夜参戦して良かったです。歌舞伎っ
て楽しいなあ！と心から思える舞台でした。さ〜、来月は博多だ！

↓↓高麗屋バージョン