2008年 6月 博多座 夜の部 その二

弁天娘女男白浪


 菊之助と亀三郎が蜷川さんにしごかれて、一回りどころか二回り位大き
くなって歌舞伎の世界に帰って来た!!素晴らしい白浪でした!!!

 先月菊五郎、今月菊之助の弁天を観て、完全にこの役が世代交代の時期
を迎えたと感じました。嬉しくもあり、寂しくもあり。もうこの役は菊之
助のものだ...。ここまで役者は役と同化出来るものなんですね。可憐で格
好良くて。今弁天で菊之助を超える芝居が出来る人はいないと思う。

 先月の喉酷使で声が心配された亀三郎。持ち前の美声に力強さが増して
最高の出来でした!台詞の緩急、品格、佇まい、全てが完璧。将来歴史に
残る立派な羽左右衛門に必ずやなってくれることを確信。(褒めすぎか?
いや、彼を観るために福岡まで遠征したのでここは褒めさせて下さい。)
團蔵さんの日本駄右衛門も嬉しい。悪の華が似合う人だけれど歌舞伎座
はなかなかここまで大きな役は廻って来ないから。
 
 スター役者が余り気味の東京歌舞伎座公演と違って若手や準主役級役者
に良い役がつくのが地方公演の良さ。配役だけではなく、番頭さんが贔屓
役者を当てるシーンで(ベテラン橘太郎の番頭さんが最高の出来!)亀三
郎の名前が挙げられるという、亀三郎追っ掛けには思いがけないサービス
も。夜の部だけで帰ってもいいかな~、位満足したけど勿論昼の部遍に続
きます。