人狼城の恐怖 第三部探偵編 二階堂黎人

 いよいよ第三部。蘭子登場に若干テンション下がり気味です。だって、
蘭子って、いわゆる「男性作家が描いた女性からみるとトホホな女性」の
典型...。なんかファッションや容姿と言動が一致しなくて違和感が...。ま、
蘭子はともかくいよいよ推理、解明編へと突入です。

 蘭子が事件にからむこととなったきっかけが強引で不自然な気もします
が、基本的なミステリ作法に則って描かれる、第四部で覆される筈の間違
い推理の過程は面白かったです。蘭子がフロイライン、マドモワゼル、と
いちいち敬称付きで呼ばれるのが字面的に鬱陶しいかな、と思ったけれど
フランスにいるのかドイツにいるのかわからなくなるのでそれを思い出す
助けになりました。

 当初一冊になるとの予定で書かれていた第三部と第四部を分けたことで
第三部は「話がキッパリ進まない」とても微妙な一冊になってしまいまし
た。こんな引きで終わって、刊行当初読んだ人は「ここで終わりかよ!」
とイラっとしたのでは?ま、私は四冊買いそろえてから読み始めたので即
第四部へ突入するからいいんですけどね~。ルン♪

 星3.8個。