狂言観劇記 -夏のめぐろろうそく狂言-

 萩大名 野村万作
 痩松  野村万之介
 蝸牛  野村萬斎

 同じ演目を繰り返し色々な人がやるのでその違いを楽しむというのが古
典芸能の大きな楽しみですが、狂言は歌舞伎より飾りがなくてシンプルな
分、その「違い」が顕著なのでしょうか。演者本人のキャラクターが物を
言う部分が大きい様な印象を受けました...。

 万作さんの大名。物覚えの悪いお馬鹿大名なのですが、このなんとも憎
めない、お馬鹿なのに品のある、観客の頬が自然と緩んでしまう大名はど
うでしょう!これが人間国宝の芸なんですね〜!

 そして萬斎さん!なんともチャーミングな魅力とオーラ!パッと舞台が
明るくなった気がしました。TVや芝居で観ていたときより狂言の舞台では
いっそう大きく輝きます。通る声に客席も活気付き、湧きました。「蝸牛」
という演目と役柄がそもそも持つ華やかさもあるのかもしれないけれど、
萬斎さんのキャラクタや演じ方に負うものも大きいのでは。どこが可笑し
い、ってうまく言えないけど可笑しい動き。目が離せませんでした。観て
良かった。とっても面白かったです。