獄中記ー地獄篇 ジェフリー・アーチャー

 十代の頃、何かを読みかけたものの途中で放り出しそのまま私の
世界にいなかったジェフリー・アーチャー。なんだか知らない間に
大変な事になっていました。小説一冊も完読してないのにいきなり
刑務所日記です。

 三部作、っていうから相当長いこと獄中にいらっしゃったのかと
思いきや、一冊目では22日しか進みません。毎日6時間程執筆して
いた様ですが、一日あたりの分量が多いんですね。日記と言えば日
記なんだけど、そこには獄中の人間観察、麻薬についての豆知識、
刑務所のシステムなど様々なコンテンツがあり、飽きさせません。
さすがジェフ。読みやすいし。

 刑務所の食事を「海にいた時間より油の中にいた時間のほうが長
そうな魚料理」ってそれ、本当にまずそう。

 吾妻ひでお失踪日記もそうだけど、暗い話をそのままではなく
きちんとエンターテイメントとして形にしているのがすごい。プロ
だ。星3つ。