封印再度 森博嗣

 詩的私的ジャックに次いでタイトルが素晴らしいです。封印再度
WHO INSIDE。ちょっと萌絵が嫌なやつです。犀川を試すようなこ
とをします。二人の関係という観点から、シリーズ中はずす事の出
来ない重要な一冊ですが、これだけ単独で読んでも充分面白いと思
います。犯人、密室、凶器と考えなければならない謎がいっぱいあ
るしね。
 
 まあ、凶器と匣の謎は当てられっこないんだけど。種明かしを読
んだ時は素直に「ほおーっ。」と感心しました。何故か「わかるわ
けないじゃん!」って頭にはきません。子供の証言の話はちょっと
京極堂風味。「この世には不思議なことなどなにもないのだよ。西
野園君。」って感じですね。このあたりが京極、森が似てると言わ
れる所以でしょうか。

 この後シリーズ最後の「有限と微少のパン」まで読んでから読み
直すとまた楽しいです。だから全部そろえたくなるんですよね。借
りて読んだ物も再読したくなるから結局買う。お金がなくても買う。
財布の残りのお金で買う・・・。(どっかの誰かが乗り移った。)
森氏は商売上手ですね。

 星4個。