2010年1月 歌舞伎座 昼の部 その一

春調娘七草(はるのしらべむすめななくさ)


 お正月気分も抜けきってしまいましたが、やっぱり一月は曽我物。この
美しい色彩が大好きです。京都で真っ赤な紅葉から垣間見た青空を思い出
します。

 十郎の魅力がわかれば一人前かなあ、と思うのですが、やっぱり「五郎
恰好良い〜!」と思ってしまう。橋之助様素敵。福助さんも綺麗だな〜。
若さと実力とを兼ね備えた充実した組み合わせの3人ですね。

梶原平三誉石切(かじわらへいぞうほまれのいしきり)


 今まで成田屋音羽屋を中心に観て来たので、高麗屋播磨屋には実は
あまり思い入れがありません。でも、この演目で幸四郎の第一声を耳にし
た瞬間、妙にホッとくつろいだ気分になった自分に驚きました。さすがに
歌舞伎を十年観続けていると意識せずとも自分の中に蓄積されたものは多
く、いつの間にか幸四郎にも随分馴染んでいるのです。

 魁春左團次と渋めの顔ぶれ。魁春は好きだけれど娘は若手にやらせて
も、と思いました。残り少ない歌舞伎座の舞台をもっと若手にも踏ませて
あげたい。

 お、後ろに並んでいる大名の中に宗之助がいますね。最近立役が多い気
がするけれど、渋い女形さんになることを期待しています。この人も実力
はあると思うのだけれどいっつも役が小さい。澤村家にももっと光を当て
て欲しい。

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 3階西側のカレースタンドのオリエンタル坊や。新歌舞伎座に彼の居場
所はあるのだろうか。



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 愛おしい建物。きっと歌舞伎ファンも地元の人も皆愛していた。