福家警部補の再訪 大倉祟裕

 再訪、って言うからにはこれ、この前に読んでおいた方が良い作品が
存在するのでしょうが、開架に福家と名のつく大倉作品が他に見当たら
なかったので、まいっか!と借りてしまいました。

 倒叙モノというのはミステリの眼目である犯人当てで引っぱる訳にい
かないので、ではそのかわりに何が重要なのか、というと、探偵役、謎
を解く人の魅力なわけです。コロンボしかり、古畑しかり。

 本書の謎解き担当、福家警部補、現場に赴いても警察と解ってもらえ
ない様な若い女性です。でも決して男性読者が喜ぶ様なアイドル系でも
なければお色気系でもない。女性読者が共感するタイプともちょっと違
う。最初は、このキャラ、地味じゃね?と思っていたのですが、気付い
たら「漫才好きかよ!」「ヒーローものも詳しいのかよ!」「ってか最
初っから警察手帳首にぶら下げとけよ!」と、自分がさまぁ〜ずの三村
になったのではと思う程、福家にバシバシ突っ込み入れながら読んでい
ました。はっ!いつの間にか福家ちゃんに引きずられている〜!

 福家のどこにそんなに吸引力があるのか、その謎に迫るために続編が
出る度に手に取ってしまいそうです。

 星3.6個。


 今アフィリエイト検索してわかりました。1冊目は「挨拶」ですね。
「福家警部補の挨拶」って御手洗潔みたい。