2010年9月 新橋演舞場 昼の部 その二

?H3>江戸絵両国八景・荒川の佐吉(あらかわのさきち

 真山青果かー、(苦手)と全く期待していなかったのにもんのすごく良
かった佐吉。すみません、私今までニザ様が素敵だの格好良いだの言って
いても全然ニザ様の本当のすごさを解っていなかった。なんて素敵なの!
なんて観客の心をがっちり掴むの!こんなに佐吉に思い入れちゃうなんて
思わなかった。もともとの脚本で佐吉は魅力的に描かれているのでしょう
けれど、その魅力をニザ様が何倍にも膨らませたと思います。子煩悩さに
やられた!これが仁左衛門なのね。

 大工辰五郎の染五郎がこれまた良かった。生き生きしていました。染五
郎もどちらかといえば時代物や踊りの印象があってあまりこういう世話物
系って観た事がなかったのですが、とても良い雰囲気を醸し出していまし
た。世話物はテンポの良い台詞のやり取りが重要なので佐吉がいくら良く
てもそれを受ける相方の辰五郎が良くなかったら台無しだと思います。今
月のニザ染コンビはとても良かった。

 そして何と言っても孝太郎子息、仁左衛門の孫、千之助君。上手いね!
将来有望だ。泣けましたよ。ほんと泣けました。

?H3>寿梅鉢萬歳(ことぶきうめばちまんざい)


 今月の昼は長丁場だったため、最後の藤十郎の踊りの時にはもうヘトヘ
トで(腰痛い、早く立ち上がって伸びしたい)という気持ちで一杯であま
り頭に入りませんでした。ああ勿体ない。せっかくの藤十郎舞踊なのに。
役者さん達の出番を公平に作ろうとするとこの演目数になってしまうのか
もしれないけれど、いくらなんでも踊りはどちらかで良かったのでは。残
念ながら集中力には限りがあるんだよう。