ウエディングドレス 黒田研二

はい!気合い入れて行きましょう!クロケンです!



 祥子とユウ君、それぞれの視点で交互に進む物語が最初からわざ
とらしく噛み合いません。たぶんそこが鍵なんだな。というところ
までは解るのですが。

 これから読む方は「よし。やるぞ!」というパワーのあるときに
挑んで下さい。私は眠い時に読んでいたので最後の怒濤の種明かし
で何度か振り落とされそうになりました。必至でしがみついたけど。
謎の量やばらまき方、拾い集め方が体育会系です。謎の1000本ノッ
ク!!種明かしのスクワット100回!!みたいな。うっかりしてる
と置いて行かれます。

 「霧の迷宮〜」を読んだときにも無駄がないなあ。と思いました
がストーリーの軸だけでストレートに話が進んで行きます。装飾が
少ない。だから厚さの割に謎の数が多いです。この謎の量なら他の
作家は色々な装飾をして倍の長さにして三倍の時間をかけて読ませ
る物に仕上げるでしょう。クロケンは一見薄くて読み易いけれど実
は考えるポイントが結構多い。

 じっくり伏線を拾い集めながら読むよりはパーっとある程度のス
ピード感を持って読んで、怒濤の種明かしに食らい付いて行くのが
私には楽しい読み方だなあと思いました。

 星3つ。