阿弥陀ヶ滝の雪密室 黒田研二

 タイトルから、歌野晶午の「安達ヶ原の鬼密室」へのオマージュ
か、もしくはパロディなのだろうか?と読みはじめましたが、途中
から鬼密室のことなんかすっかり忘れて熱中してしまいました。

 スピーディーな展開では定評のある(私が勝手に言ってるだけ?)
クロケンですが、本書も速い。そして早い。プロローグでさっくり
事件が起きてしまいます。この勿体ぶらないところが良いです。

 例の如く盛り沢山で次々謎が出てくるので、新展開を迎えるたび
に「ああ、そうだった。子供がまだ失踪したままなんだっけ。」と
重要事項を思い出したりする駄目駄目読者な私。

 ダイイングメッセージの真相にはひっくりかえりました。あんな
とこが伏線だなんて思わなかったよ〜!(笑)完敗!

「最近ミステリでひっくりかえってないなあ」という人は是非。

 星4つ。