壷中の天国 倉知淳

 九月の新刊記念企画第五段は倉知の淳さんです。

 連続通り魔事件が起こる度にばらまかれる電波系怪文書。謎の
フィギュア作り人。通り魔事件の真相は?被害者達に関連性はある
のか?それだけで面白そうな”キテる”設定なのになぜか普通の主婦、
知子を中心に物語は展開します。

 これ、本当に面白いんですけど、「過ぎ行く〜」と同じく長過ぎ
です。「過ぎ行く〜」は”中だるみ”系長過ぎ本なんですが、本書は
”尻すぼみ”系長過ぎ本。「うわーっ。面白れーっ。」ていう自分の
テンションが最後までもちません。でも難点はそこだけ。猫丸先輩
モノや「過ぎ行く〜」のほのぼの感がないかわりにぴりっとした風
合いでとても好みです。タイトルもすっごく好き。こういうの、
もっと書いて下さい。もうちょい短めで。
 
 星3つ。