四日間の奇蹟 浅倉卓弥

 最近メフィスト賞がよくわからなくなってきているワタクシです。
このミステリーがすごい!大賞」受賞作を読んでみました。
本書はミステリーではありません。それは著者も選者も承知の様で
す。じゃあナゼ「ミステリー」ってつけるんだろう?まあいいや。

 ミステリーではないということは謎をとく面白さや騙される気持
ち良さがないのです。となるとこの本の面白さはどこにあるので
しょう?書店でのpopやらネット上に散らばっている書評などから
どうやら本書が「感動系」「泣かせ系」であることがわかります。

 日頃漫画や小説をある程度読んでいる人ならコトが起こった瞬間
に落ちが読め読めなのではないでしょうか。あちこちで使われてい
るネタだし。だからコトが起こってからラストまでの数百ページで
「心の準備」が充分すぎる程出来てしまうんですね。

 涙の元はとっくに引っ込んでしまった状態でラストを迎えました。
長過ぎなのかな。すっきりと中編と呼ばれる位の長さに納めて心の
準備が出来る前、丁度登場人物に思い入れかけた頃に終わってしま
えば泣けたかもしれません。
 
 星2つ。