稀覯人の不思議 二階堂黎人

 随分前に2~3冊読んで文章が肌に合わない気がして、以来敬遠し
ていた二階堂さん。久々に新しい作品を手にとってみたらとても読
み易かったです。

 ミステリ部分よりも手塚作品や古書についての記述の方に力が
入っています。熱い!そちら系の方々が仲間を~氏、と呼ぶのはそ
ういう訳なんですね。
 手塚治虫愛好会の会長が自宅の離れで殺されます。密室であった
現場からは貴重な手塚治虫の古書が盗まれて...。
 密室の謎は盲点でした。そうきたか!という感じ。油断していた
ので全く思い至りませんでした。細かい作品に関する記述はさらっ
と読み流し。伏線だったらどうしよう、と思いながら。ミステリ好
きよりは手塚好きや古書好きさんにおすすめの作品です。手塚作品
が読みたくなります。久々に「アドルフに告ぐ」でも読むか...。
(うちにはちゃんとそろってるのがこれしかない。)

 星3つ。