浅草歌舞伎 第一部 その2

 二つ目の演目は仮名手本忠臣蔵。第一部は第二部と配役を変えて
勘平が七之助でおかるが勘太郎です。最初に配役を見た時は第二部
勘太郎勘平と七之助おかるバージョンの方が良さそうだな、と思
いました。あの二人が夫婦をやるならそりゃ七之助女形だろう、
という外見から来るイメージです。でも実際は逆でした。仮名手本
は第一部の方が良かった。容姿の問題ではないんですね。資質なの
でしょうか。

 七之助の勘平の方が演技が派手目でがちゃがちゃした部分もあっ
たけど、勘太郎の時に感じた間延びしたところは無かったです。テ
ンポは脇を固める男女蔵さんと亀治郎がうまく調整していた様にも
見えました。脇って大事ですね。亀治郎はついさっきお姫様を演じ
た人と同一人物とは思えない素晴らしい千崎弥五郎を見せてくれま
した。

 亀鶴さんの定九郎も良かったです。短い出なんですが表情や動き
のひとつひとつに細かい心遣いが行き渡っていて「研究してるな〜」
と思いました。このシーンだけでもショートフィルムとして作品に
なりそうでしたよ。

 同じ月に同じ面子の同じ演目を観るのってちょっとかったるいと
思ったんですが、比べることでものすごく勉強になりました。
両方行っておいて良かったです。

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 終演後は3日に果たせなかったお参りです。寒かったのでお参り
後に飲んだ甘酒が最高でした。歌舞伎と雪と甘酒。日本の冬。