樹海伝説 騙しの森へ 折原一

 同じ作家ばかり続けて読むと混ざるのでしばらく折原はやめよう
と思っていたのにまた読んじゃいました。げにおそろしきは叙述の
魔力。

 樹海の山荘で家族を殺して失踪した作家。事件の真相をさぐるべ
く森に入って遭難した若者。事件から10年後、その若者の手記を手
に樹海に入って行くハイキングクラブの大学生、という三層構造。
折原作品の感想を書くのは難しい。毎回同じことしか書けません。
「いつも通り面白かったです。」と。本作は短い割には読みごたえ
がありました。なんというか、特に好きでもないけど減点すべき所
もない一冊。

 星2.5個。