祝團十郎復活！！團菊祭歌舞伎座昼の部

　こんなことがあったんですよ。で、急遽おさえたチケットで（取
れて良かった。ホント。）團菊祭に行って来ました。

　今月の歌舞伎座昼の部は團十郎しか頭になく、外郎売の他にどん
な演目があるのか把握しないままの観劇でしたが、期待していな
かった割に外郎売以外の演目もとっても面白かったです。

　一幕目は「江戸の夕映」。激動する幕末の人間模様を團十郎演出
で若手が演じます。しょっぱなから今ワタクシ大注目の坂東亀三郎
が赤い髪で登場。きゃ〜。かっこい〜。美声〜。とオペラグラス片
手に興奮していたらあっという間に退場。短っ！もっと観たい！！

　新しい時代に器用に気持ちを切替えられずに悩む旗本小六に海老
蔵。小六の許婚お登勢に松也。お登勢を心配していろいろ世話を焼
く大吉に松禄。大吉の恋人の芸者おりきに菊之助が扮します。松禄
が良いのは当たり前。この人は天性の「おせっかいな主人公の親友」
役者さんです。文句なくぴったりはまってました。松也も初々しさ
と健気さが生きていて良かった。驚いたのは菊之助。この人いつか
らこんなに貫禄が出たんでしょう。存在感、舞台の上での余裕。菊
之助の芝居がこの演目を引っ張っていた気がします。こうなると海
老蔵は弱いですね。時代物で見得切っている分には他の誰もかなわ
ないオーラを持っている人ですが、芝居や踊りでは松禄や菊之助と
比べると若干見劣りがします。そこがとっても残念。

　二幕目は舞踊「雷船頭」。天から降って来た雷様と、あわよくば
つかまえて見せ物にしようとする船頭のコミカルな踊りです。松禄
も染五郎や亀治郎に次いで踊りをがんばっている若手なので楽しめ
ました。相手役の雷様は尾上右近。名子役だった研佑君もずいぶん
大きくなりましたね。将来が楽しみです。きっと良い役者さんにな
ることでしょう。

　面白い演目が二つ続いて、外郎売への期待が高まります。後半へ
続く。