半落ち 横山秀夫

 面白かったです。夏樹静子の「量刑」とか裁判所ものって割と興
味があるし、好きなんです。一章毎に語り手(視点)が変わって、
一つの事件をいろんな側面から描くという構成も良かった。クール
に淡々と進んで、社会派ミステリ?と思っていたら最後に「感動的
で泣ける逸話」みたいなベタな落ちが来ました。これはミステリ?
梶さんのちょっと良い話?別にここで泣かせ落ちを持って来なくて
も十分いけたと思うのですが・・・。最後に泣かせちゃうと、それ
までの他の良かった部分の印象がぼやけないですかね?序盤から中
盤の巧みで骨太系に思えた構成と最後の感動落ちがちょっとそぐわ
ない感じがしました。
 
 クライマーズハイが読みたいのですがまだまだ予約の人の間を回
っているようで、一度も図書館で見かけません。いつになることや
ら。

 星3つ。
影踏み