重力ピエロ 伊坂幸太郎

 お久しぶりでございます。
何故こんなに間があいてしまったのか。
旅行に行っていた訳でも、仕事が特別忙しかった訳でもありません。

 なんだか感想を書くのが難しくて悩んでしまったのです。
「重力ピエロ」の...。

 ミステリ的な部分では暗号自体は知識がなければ解けない「考え
ても無駄」系だし、犯人自体はたいして意外でもなく、大きなびっ
くりやどんでん返しもない。はらはらどきどきジェットコースター
本のような疾走感があるわけでもない。ストーリーで引っ張って行
く程でもなければ感動で涙涙の...って程でもなし。

 要するにつまらなかったの?というとそうではないのです。とて
も「魅力がある」作品でした。ほら、感想書くの難しいでしょう?
読んでない人は訳わからないでしょう?良さを伝えるのがむずかし
いんです。

 で、一週間考えていて、結論。これは、作中でも何度も名前が出
て来ているし、タイトルもパクっていると思われる、ゴダールの映
画の様な、フランス映画の様な作品なんです。ミステリ仕立てだけ
れど、犯人が解って読んでも味わいがある、繰り返しじんわりと楽
しめる作品だな、と思いました。文学なんですね。

すみません、自分の中ではこの作品の良さがどういう種類のものか
は解ったのですが結局うまく伝えることが出来ませんでした。

 星4個。