うつうつひでお日記 吾妻ひでお

 失踪日記がバカ売れした吾妻ひでお...。昔は自分の趣味とは対極
にある作家さんだと思っていたのでまさか自腹で買ってまで読むと
は思いませんでした。

 本書は失踪日記の続編に見せかけて、実は吾妻読書日記。毎日毎
日何かしら読んでます。出て来る書名や作家名に半分以上ピンと来
る人はかなり楽しめるでしょう。本に興味の無い人はつまらないと
思います。

 本のセレクトがまず面白い。「乱読」って評しているサイトも
あったけど、決して乱読じゃないんですよ。セレクトに筋が通って
ます。琴線に触れないものは選んでいません。自分がいまいちノレ
てなかったり未読だったりする「若者本」を読まれているとなんか、
くやしい。「あ、おっさん、那須きのこ読んでやがる」とか「佐藤
友哉まで!ちきしょー、私も読んでやるー!」と張り合ったり「西
尾維新の良さ、私はわかるもんねー」と優越感に浸ったりしてしま
いました。

 本の感想もこれまたタイトでツボ。書く(描く)ことで食べて来
た人だなあ。文章も絵も、引き算が出来てナンボなんですよねえ。

 失踪日記も本書も面白かったので敬意を評して我が家ではキムチ
納豆卵かけごはんを「吾妻メシ」と呼ぶことにします。ってその組
み合わせ食べたことないですけど。

 星4つ。