九月 歌舞伎座 昼の部 その二(引窓、六歌仙容彩)

 「引窓」
 若手の一幕目とは打って変わってベテラン勢による引窓。以前観た
事はありましたが贔屓の役者を目で追うのが精一杯で物語を楽しむま
で理解していませんでした。今回失礼ながら特別贔屓の役者さんが出
ていたわけではないので一歩引いて筋や道具立ての面白さを味わえま
した。それぞれの想い、立場、そして効果的な引窓という道具。実際
見えないはずの月明かりが見えた気がしました。面白いお話です。

 「六歌仙容彩」
 いきなりの御大、雀右衛門の登場にまさか30分踊るのか?倒れる
んじゃないか?とはらはらしましたが、雀右衛門は前半だけで後半は
染高麗でした。ホッ。雀右衛門は存在感があります。いるだけでオー
ラが。いつも圧倒されます。長生きしてずっと舞台に立って欲しいで
す。
 対する染五郎は軽妙。コミカルも結構いけますね。器用なんだなー。
もちろん努力もされているのでしょうけれど、あまりそれを表に出さ
ない感じですね。そこがクールで格好良い!