ウロボロスの純正音律 竹本健治

 これで完結なんですか?このシリーズ。寂しいなあ〜。

 堪能しました。蘊蓄ミステリが大好きな私、さすがに囲碁はよく
わからなくて流してしまいましたが、音律の話は面白かった!
「へー」ボタン連打。

 以外な人が殺されるのに驚き、あの人があの作品の見立てで殺さ
れるのに大笑いし、最後の種明かしに満足。読んでる最中は「期待
に反して案外まとも?」と思っていましたが終わってみればそこは
それ、やっぱりウロボロス!一筋縄ではいきません。これ一作でも
ウロボロス。三冊まとめてまたウロボロス。思わず偽書に戻りたく
なってしまいました。いや、戻りませんけどね。他に読む本山積み
なので。

 良い映画ってエンディングまで楽しめますが、本書も後書きまで
こってり楽しめます。誰にでも楽しめる種類のものではないけど楽
しめる人には相当楽しめる。この作品を充分楽しめてしまった人は、
もう引き返せないところまで来てしまったミスオタなのだ。

 星4.2個。