2007年3月歌舞伎座 夜の部 その一

 3月の歌舞伎座義経千本桜の通しです。同じ物語の中に時代物
や舞踊、世話物を組み込んでバラエティ豊かな出し物にする、歌舞
伎の面白い工夫です。いつもはばらして上演されるので通しだとそ
ういう全体の構成が楽しめます。

木の実・小金吾討死


 観た事ある筈なんだけど、どんなんだっけ。あーーー!これ!こ
の縄を使った立ち廻り面白いですねえ!思い出しました。義経千本
桜でも他の幕は単独で上演されますが、このつなぎ、というか次の
幕への伏線的な演目は通しでやる時しか観られないので貴重ですね。

すし屋


 前の幕から続けて仁左衛門の権太です。権太は何度か観ていて、
私の中では幸四郎バージョンがスタンダードでした。はじめて仁左
衛門バージョンを観ましたが、やる人が違うとイメージが違うもん
ですねえ。西と東の解釈の違いなのか役者の個性の違いなのか。幸
四郎も團十朗も体格が良いので立派な権太になりがちですが、飄々
とした味のある仁左衛門権太も面白いです。同じ芝居を何度も観て
楽しむ。何度も観てはじめて分かる事がある。毎回発見。これぞ歌
舞伎の醍醐味です。