最後の一球 島田荘司

 いやあ、何が面白いって御手洗の法曹界批判が痛快。私が大学時
代(実はしら菊法学部卒です。)日本の法律って、法曹界って...。
とあきれたあんなことやこんなことを御手洗がズバズバ斬ってくれ
てます。

 でもね、御手洗活躍、そこだけ...。推理もあんまり華やかではな
いしページ数的にメインで描かれるのも主人公竹谷の野球人生。野
球部分はミステリ色も薄く、竹谷の苦悩がメインで東野圭吾の作品
を読んでいるような錯覚に陥る。なんか東野っぽくないですかね?
この野球部分。

 これを誰か別の人が書いていたり、あるいは島田荘司でも御手洗
ものじゃなかったらもっと高い点をつけたかもしれません。でも
ちょっと自分が「御手洗」に求めているものと違ったんだなあ。御
手洗ものは傑作が多すぎてこの位だと埋もれてしまう様な気がしま
す。

 星3個。