2007年10月 名古屋御園座 吉例顔見世 夜の部 その二

?H3>義経千本桜 川連法眼舘の場

 海老蔵の新境地。十八番系や世話狂言の色男には資質が存分に発
揮される海老蔵ですが、狐役はいまいちイメージ出来ずにいました。

 バレエの熊哲もそうなんですが、海老蔵もジャンプした時一瞬空
中で静止するんです。それが人ではない存在であることを感じさせ
て美しかったです。危惧していた芝居の部分も頑張りました。時々
狐より犬っぽくなるのが玉にきずですが、海老蔵らしさを封じて猿
之助の教えを忠実に守ろうとしていて大人になったと思いました。

 二階席の下手側にいたのでラストの宙乗りは目の前を海老様が通
過。彼の成長と努力に惜しみ無い拍手を贈りました。成田屋のお家
芸ではないので機会はあまりないのかもしれませんが、今後演じ重
ねてブラッシュアップしていって欲しいです。

 亀三郎は5月の歌舞伎座に続いての赤っ面。えー、赤くない顔が
観たいよう。台詞も声張り上げる系でいまいち美声が生かされてい
なくて哀しいよう。でも力強くて、やっぱり亀三郎素敵。そもそも
亀三郎が東京にあまりいないから私もこんなに今年は行脚する羽目
になったんでした。

 浄瑠璃が葵太夫さんでした!やっぱり澤潟屋型の四の切にはこの
人ですよね!うう~。浄瑠璃だけで泣ける~。素晴らしい~。

 と海老蔵と亀三郎と葵太夫さんに夢中で静御前が全く印象に残っ
てない..。門之助さん、ゴメンよ~。

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 ラストで撒かれた桜吹雪。

 昼の部偏に続く