冤罪者 折原一

 このテーマなのに社会派的な切り口ではなく、いかにもな折原一
らしい展開。

 何せ折原一なもんで疑いだすとキリがない。全員あやしく見えて
来るし、今書かれているのが登場人物Aのことだと見せかけてBのこ
となんじゃないの?とかこの人とこの人が実は同一人物だったりし
て?とか。疑い疲れます。

 それだけ疑ってかかっても看破できなかった真相もめまぐるしい
展開もなかなか良かったとは思いますが、どうにもこうにも拭えな
かった読んでる最中の不快さと、無駄な長さに減点。この3分の2位
に削っても全然問題ないと思いました。ただでさえ似た様な暴行殺
人事件が繰り返し起こるのにそれをいちいち執拗に書いているのが
辛かった...。それが狙いと言えば狙いなのかもしれないけど...。

 星2.3個。