クレシェンド 竹本健治

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 いやあ、これは凄い。嫌いな人は嫌いだろうなー。主人公の幻覚
に読者も一緒になって巻き込まれるこの筆致。めくるめく、とか目
眩、とかそんな言葉では表しきれない酩酊感。読み進めてゆくうち
に何が幻覚で何が現実(小説のなかの)だかわからなくなってくる。
既存の竹本ファン以外の読者をきっぱり切り捨てたとも思えるサー
ビス精神のなさが潔い。本書に比べればウロボロスですら「とっつ
き易いのでは?」と思えてきてしまう。この内容でこの値段、売れ
ないだろなー。どうせ安くしても売れなさそうだからいっそのこと
凝った装丁にして高くしたのかしら?

 おなかいっぱい。竹本節を堪能しました。ゲフー。

 星3.6個。

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