2007年総括 -ミステリ-

 いよいよ今年もあと少し。2007年総括ミステリ偏です。

 今年は御手洗に始まり御手洗に終わった島田荘司再評価の年でし
た。10年ぶりくらいに何冊か読んだらそのどれもがべらぼうに面白
く、「こんなに島荘って面白かったっけ?」とあわてて初読再読含
め片っ端から読みました。

 そのなかで一番面白かったのが「ネジ式ザゼツキー」。二番目が
「ロシア軍艦事件」。短編では「数字錠」「SIVAD SELIM」が印
象に残っています。島荘は日本の宝だな〜。天才で頭の良い人が更
に努力もしちゃって、もうこれは凡人や秀才はどんなにがんばって
も追い付けない地点にいる人、と言う感じ。森博嗣京極夏彦と島
田荘司は私の中での殿堂入りですね。

 同じく再評価組としては有栖川有栖。こちらは大半既読のつもり
でしたが「学生アリス」シリーズをまるまる読み残していて、新作
が出るというので既刊を読んでみたところ予想を越えた面白さ。丁
寧な作りにも好感が持てました。どれも良かったけどやっぱり「双
頭の悪魔」
かな。

 その他で印象深かったのは辻村深月「凍りのくじら」にはここ
数年来こんなのなかったよ、という位感情移入しました。

 浅暮三文「ダブ(エ)ストン道」ファンタジックでナンセンス
な独自の世界にヤラれました。

 竹本健治匣の中の失楽も牧場シリーズもみんな面白かった。

 言わずとしれた村上龍「半島を出よ」

 読んでる最中のドキドキとクライマックスのカタルシスが凄かっ
福井晴敏亡国のイージス

 衝撃的だった鳥飼否宇「痙攣的」

 具体的に作品を挙げるというより作家さん自体が気になるのは桜
場一樹と坂木司。図書館ではまずさ行をチェックだ。

 そして2008年の動向が気になる浦賀和宏。安藤シリーズも気にな
るけど八木君もそろそろ面白くなる頃合じゃないか。なって欲しい
ぞ。

 霧舎さんにはいいかげんあかずの扉シリーズを書いてほしいぞ。
あれ、なんだか2007年の総括から来年への希望になってきちゃった
ぞ。他の皆さんみたいにベスト10とか綺麗にまとめられなくってダ
ラダラ長々書いちゃってすいません。読みにくいよね。ここまでお
読みいただいた方、有り難うございます。来年も宜しくお願いいた
します。