ふたつめの月 近藤史恵

 おー、これは、あれですね!「賢者はベンチで思索する」の続編
だ!知らずに読みはじめたので嬉しいぞ〜。

 一話目はちょっとありえない、そこまで普通しないだろう、とい
う不自然さがありましたが二話目と三話目は面白かった。特に三話
目の「ふたつめの月」は綺麗だなあ。大仰に仕掛けを施して読者を
泣かせるのではなく、じんわりとあとから来る静かな感動が心地よ
い。

 近藤史恵、初期の作品は文章のリズムや言葉の選び方に変なクセ
があったけれど最近の作品はとても読み易くて美しいです。新しめ
の作家さんの作品を読んだ後に読むと「近藤史恵ももはや名実とも
に中堅なんだな」と思えます。

 星3.5個。