映画 ぜんぶ、フィデルのせい

 泣かせる内容でいたいけで愛らしい子供が出て来て、っていう映画はよ
くあるけど感動のさせ方が安直な気がしてあまり好きではありません。で
も本作は予告を観たときちょっとそういう子供モノとは違うな、と思いま
した。主人公のアンナのふくれっつらが妙に気になりました。

 70年代フランス。パパは弁護士ママはマリ・クレールの記者。お手伝い
さんのいるおうちで裕福な暮らしをしていたアンナ。ところがなんと!突
如共産主義に目覚めてしまった両親。生活は一変...!

 頑固で愛想のない子供には肩入れしてしまいます。なぜなら自分がそう
だったから。アンナの眉間にしわがよった怒り顔が最高。彼女の理知的な
瞳と弟フランソワの脳天気な可愛さに大人の俳優達が負けてます。もっと
頑張れ大人!

 アンナ役の演技力が凄い。戸惑い、苛立ち、憤り、容認、様々な感情を
演じ分け、流れも自然。これは本能的なものだろうか。考えてやっている
のか。最初はいかにもミッション系スクールに通うお嬢様なワンピースな
ど着ているアンナがだんだんヒッピーなファッションになってゆくのもと
ても可愛い。

 星3個。