影踏み 横山秀夫

 あちこち書評ブログを彷徨った結果、どうやらファンの間でも評
価が別れている模様の本書。登場人物が多くて、私は「この人誰だっ
け」と何度も前に戻りながら読みました。泥棒って留守宅に入るも
んだとばかり思っていたけど、寝ている間に盗みに入るのを専門に
している泥棒もいるんですね。空き巣より危険な様に思うけどなん
かメリットがあるのかな?夜なら暗くて人通りが少ないから目撃さ
れにくい、ってことか。

 主人公真壁がトラウマと戦って克服する物語ということなのでしょ
うか。弟の存在をトラウマに拠る幻想にしてしまったら寂しいです
かね?この後真壁が泥棒稼業から足を洗って久子と一緒になるのを
想像して本を閉じるのが正しい読み方かもしれないけど、私はちょっ
と、久子を捨てて泥棒をやっている真壁を想像しちゃった。真壁は
この世界でしか生きられない、そんな感じがしたから。そして泥棒
やってる真壁の方が真人間になった真壁より魅力的だと思ったから。
 
 星2.5。
半落ち