99%の誘拐 岡嶋二人

 こんなにうまく行くはずがない!という批判を受けることを想定して、
「完璧を目指してもそれはありえないんですよね〜。」っていう保険をか
けたタイトルなのかな?と思ったのであえて「そんなに巧くいくはずがな
い」とは言わないでおきましょう。

 これ刊行が88年ですよ。20年前にこれだけのITネタを発想して書き切っ
ていることが既に非凡の才!!リアルタイムで読んで「コンピュータって
こんなことが出来るの!?」と驚愕したかったです。

 犯人を明かして進むミステリはオチのサプライズ以外の部分に読みどこ
ろを持って来なければいけないけれど、本書の第二の誘拐を産んだ第一の
誘拐、その事件がある企業に、人に、与えた影響のくだりは読みごたえが
あってなかなか面白かったです。

 星3.7個。