2008年 歌舞伎総括 その一

 今年は地方やら巡業やら国立劇場が多くて今までで一番歌舞伎座に行か
ない一年でした。残り少ない歌舞伎座なのになあ。それではざざっと振り
返ります。

 新年は亀兄弟の赤面が印象的な国立劇場からスタート。続く歌舞伎座
染高麗のブンブン毛振りの獅子、これだけは絶対に見逃せない他の追随を
許さない別格ダントツ一位の歌舞伎だと思っている團十郎助六という濃
い一か月。

 二月は白鴎追善で、お正月の演目という印象が強かった対面。橋之助
て何故かあまり観る機会がないので久々でした。

 続く三月は藤十郎道成寺が素晴らしかった。最近ようやくこの演目の
奥深さがわかってきた気がします。お祭り佐七は脇に立ってる若手の鳶達
チェックに忙しく主役が何をやっていたのか全く覚えていません。こうい
う大勢出る演目は複数回観ないと駄目だな〜。

 五月團菊祭では念願叶って初めて白浪五人男の極楽寺屋根立腹の場・山
門の場・滑川土橋の場が観られました。菊五郎ももちろんだけれど、團十
郎の日本駄右衛門が良かったなあ〜。海老蔵知盛も頑張りました。

 六月は博多座遠征。昨年名古屋で観て絶対もう一度観たいと思っていた
達陀。イヤホンガイドの好アシストのおかげで無駄なく観たい人全員を
チェック出来て満足。先月の菊五郎弁天に続いて息子菊之助弁天。道成寺
は残念ながら亀兄の舞尽くしに当たらず。

 七月は大阪松竹座遠征。暑かった...。灼熱の大阪ミナミ...。
黒手組曲輪達引も良かったし、藤十郎、仁左様、ガトーさんというなかな
か東京では揃わない上方キャストも珍しく、急遽の参戦だったけど行って
良かった。

 七月はもう一つ。巡業で亀治郎弁天。三か月続けての弁天強化月間とな
りました。操三番叟がとても良かったです。これはもう一度観たい。

 八月は大劇場進出で初参戦叶った亀治郎の会。初見の俊寛道成寺。今
年は本当に弁天と道成寺ばっかり観たなあ。亀治郎の会は来年も観たいけ
ど、来年はまた小劇場での開催なのでプラチナチケット化必至?取れない
だろうな〜。(←根性無し)

 十月は幸四郎勧進帳の巡業。亀兄弟の四天王も長年の念願だったので漸
く観られて嬉しかった。意外とノリの良かった幸四郎弁慶が印象的。引窓
での亀兄の力士言葉に萌え〜。(←どうしてこういうアホっぽい感想を書
いてしまうのだろう...。^^;;)

 十一月またまた巡業。三津五郎宗五郎と芝雀京人形はなかなか楽しい取
り合わせ。軽妙な演目二つ、ってのはいいなあ。歌舞伎座本公演だと絶対
これに何か泣き系か重たい、あるいは退屈な演目がもう一つ組合わさるん
だよねえ。

 十二月。国立劇場。やっぱりこの人、菊五郎。結局私は音羽屋歌舞伎と
成田屋歌舞伎が好きなんです〜。駆け足で一年を振り返りました。その二
で纏めます。続く。


玉三郎道成寺を花道かぶりつきで観た事があります。玉様は良い匂い
がしました...。