2008年 総括 ミステリ編 その二 年間ランキング

 さあ、いよいよランクインの発表です。ダラララララ〜。(ドラムロー
ル)

?H3>短編部門

 まずは短編部門。そもそも長篇好きなので短編集はほとんど読んでいま
せんが、印象深いものが二作ありました。

 一位 独白するユニバーサル横メルカトル(平山夢明
 二位 百万のマルコ(柳広司

 有名な二冊なので説明もいらないかな。メルカトルはその濃ゆさと奇天
烈さの裏に隠された巧みさにうなりました。


?H3>新人部門(っていうかメフィスト部門か?)

 一位 天帝のつかわせる御矢(古野まほろ
 二位 エコール・ド・パリ殺人事件(深水黎一郎)
 次点 タナトスシリーズ(汀こるもの

 今年は新人発掘に余念がなかったしら菊さん。なんといっても印象的な
のは古野まほろ。デビュー作が店頭に並んだ時手に取ってぱらりらした時
はまさかコレが自分の琴線に響くとは思わなんだ。一押しの深水さんは周
囲で全然話題になってないのでちょっとガッカリしていたのですが、本ミ
スだっけ?何かのランキングに入りましたね。こるものは一冊ではランク
インには弱いかな〜、とシリーズでの受賞。

?H3>長篇部門

 一位 薔薇密室(皆川博子
 二位 死の泉(皆川博子
 三位 人狼城の恐怖(二階堂黎人
    カラマーゾフの兄弟ドストエフスキー
 五位 七回死んだ男(西澤保彦
    生ける屍の死(山口雅也

 圧倒的グレードの高さの皆川博子さんが上位独占です。三位に全四冊、
五冊の大物が入っていますが、これは頑張って長いものを読んだ自分を褒
めたい、のではなく、これだけの長さ読者を最後まで引っぱって行ける作
品というのはそれなりにハイレベルなのですね。カラマは純文学のつもり
で挑んだけれど結構ミステリでした。旧訳でも読みたい。人狼はスッキリ
ビックリな解決編よりも一〜二部のハラハラパニック部分が断然面白かっ
た。ああ、これで蘭子さえ出なかったら...。

 七回〜は久々にキャラ読みとか蘊蓄萌えではなくトリックが気に入った
秀作。初心忘るるべからず、ミステリはやっぱりトリックだ、と思わせて
くれました。生ける〜は2005年のマイベスト、「奇偶」の山口さん。や
はりこの人はただもんではない、スゴイ作家さんなのだ...。

 これで次点のタナトスシリーズを抜かせば10作品。ベスト10です。
往年の名作大作ばかりになってしまうとつまらないな〜、と思って短編部
門と新人部門を儲けてみました。

 長々読んで頂きありがとうございます。今年もミステリブロガーの皆さ
まのおかげで面白い作品と沢山出会えました。来年も沢山面白いミステリ
が読めますように。良い(酔い?)お年を〜!^^