黒い家 貴志祐介

 ふぎゃーーーー。

 こ、恐かった...。

 以前は面白そう、とか好きな作家、とか今日は軽めのものがいいな、と
かそういう観点で本を選んでいましたが、ブログを始めてから加わった新
しいポイントがあります。それは「話のタネになりそう」というもの。B
系だったり、突拍子もなかったり、そりゃないよ!系だったり。皆で肴に
して盛り上がれるもの、そう思って本書を借りたのですが、意に反して普
通に面白いホラーでした。ホラーとして、エンタメ小説としてあまりにも
直球。あ!違うよ!話のタネになりそうだったのは「黒い仏」だ!間違え
た〜!

 いや〜、貴志祐介は面白い!良く出来てる!背筋がゾ〜っと来る恐さ、
ヒタヒタと忍び寄る恐さ、驚愕、狂気、悪臭、バランス良く織り込められ
た恐さの宝石箱や〜〜!!(彦麻呂?)で、そういうホラーの基本に生命
保険システムの限界と行く末という社会派的なテーマをからめたところが
物語にリアリティと深みを与えており、まっことよろしいです。堪能しま
した!

 星4個。