連載小説 ドブなロク道<いけずの料理研究会>流水館へ 第一話

※諸事情により小説仕立てでお送りします。小説はウザイ、要点だけ追い
たい、という方々のため要点を太字で記載しますのでご活用下さい。※

■■■第一話■■■
「わあ~お~!超豪華!」
 建物が見えて来た瞬間我が部の紅一点白菊先輩がハイテンションで叫ん
だ。我々見須手利大学の料理研究会面々は冬の合宿のため、東京からN県
の流水館まではるばるドライブをしてきたのである。
「確かに凄いなあ。思ってたよりもデカイ建物だね...。」
とハンドルを握りながら答えたのは部長の前動さん。
「正直アレを作るだけなんだから建物が豪華である必要はないんだけどな。
まあ、これだけ人里離れてりゃアレを作ったってバレないだろう」
助手席の鳴川先輩がオールバックの髪をなでながら答える。
「わざわざこんな山奥まで来て、成功しなかったら哀しいですねえ」
と僕、料理研究会書記の三本松走(さんぼんまつはしる)が続く。一番の
下っ端であり、この物語の記述者である。

 借り受けた鍵で中へ入る。荷物持ちの僕は道具や素材を運び込まなけれ
ばならない。大きなプラスチックの桶をかかえて台所を探して奥へと行こ
うとするところを白菊先輩に呼び止められた。
「三本松君、どこ行くの?」
「どこって、台所...。」
「そこの居間でいいよ。どうせこの実験が合宿のメインだし、居間の方が
エアコンで気温を管理するのも楽でダラダラ飲みながら観察できるしね。」
もっともらしい理屈で攻めて来る白菊先輩だが、飲みながら観察したいっ
てのがメインの理由だろう。さからえる相手ではないので素直に従う。

「あ、三本松君、米炊いておいてね~。道具の熱湯消毒もしなきゃだから
お湯も大量にわかしてちょ~。」
 無責任に言いおいて白菊先輩は鼻歌を唄いながら荷物を持って二階へと
昇っていってしまった。

 夕食はメンバー各々が腕をふるった。和食担当前動さんの握った寿司は
早朝築地に僕が魚を買いに行ったのだから旨くて当然。シャッキリした刺
身の甘さと口の中でホロリと崩れるシャリの握り加減が絶妙である。鳴川
先輩のツヤツヤプリプリの海老チリや帆立の入ったシュウマイもふんわり
していて素人料理の域を越えている。白菊先輩の豆とチキンの煮込みはフ
レンチだかイタリアンだか良くわからないがスパイスの香りがなかなか本
格的だ。
「三本松~。米はまだ炊けないの~、米は~。」
ワインを飲みながら白菊先輩が言う。右手にワイン、左手に紹興酒を持っ
ているが大丈夫だろうか。
「まだです!炊こうとしたら炊飯器では前動先輩が寿司のシャリ炊いてる
し、じゃあ蒸そうか、と思ったらせいろでは鳴川先輩がシューマイ蒸して
たから僕が炊くのが遅れたんですよ...。」

 そうこう言っているうちに米が炊き上がり、実験開始である。樽に米を
入れ、米麹をほぐし入れ、ドライイーストとヨーグルトと水を加えて混
ぜる。え、あれ、もう終わり?なんだかあっけない仕込みである。

 イメージ 1

「うひょ~、おいしくなれよ~!ドブ□クちゃ~ん!」
 し、白菊先輩、違法行為なんだから山奥とはいえもう少し静かな声でお
願いします...。そう。僕達料理研究会、
冬の合宿のテーマはドブ□ク作りなのだ。

 ダラダラと飲み食いし、夜中の一時を回った頃、部長の前動さんが立ち
上がった。
「おう、そろそろドブ□クの様子だけ見て寝ようや」
鳴川先輩が続く。
「まだ数時間だしそんなに変化ないだろ。おい、開けてみろ、三本松。」
はいはい。どれどれ。
パンを焼くときと同じイースト臭が鼻をつく。
「わっ!すごい!米が吸水して膨らんでいます!」
皆が周囲に集まって来る。

 イメージ 2

「ほんとだ~。米膨らんでみっしりだね。これが液体になるってのがいま
いち信じられないな~。」と白菊先輩。
「じゃ、三本松、写真撮って、あと記録な。」
部長の言葉を後に皆さん寝室のある二階へ上がって行ってしまった...。僕
は一人でノートパソコンの電源を入れた。

この物語はフィクションです。画像はCGです。登場する白菊と実在のしら
菊は別人です。
 ※日本では無免許でアルコール度数1%を越えるお酒を作ることは自家
用であっても違法です。


↓こんなグダグダなパクりですいません。