2009年 2月 歌舞伎座 夜の部 その二


 弁慶富樫は実力の拮抗した同世代が演った方が面白いと思うので今回の
配役は満足でした。弁慶が出過ぎずに富樫の印象を強く残すバランスが良
かったです。

 四天王が豪華!主役を演れるランクの御曹子達が金剛杖に抑えられて並
ぶ場面は壮観!これだけでも今月夜の部観る価値ありです。梅玉義経も良
かった〜!静かで品があって、色々な人の義経を観てきたけれど、かなり
印象に残る義経でした。


 しゅいません。きっと私の頭が固いんです。どーしても玉三郎が外股で
男声を張り上げるということに、納得しているつもりでも感情の深い部分
から沸き上がる違和感を押さえ込めませんでした。正体を明かす前は勿論
大変美しく堪能いたしました。

 染五郎のお坊は現時点完璧とは言えないけれど、方向的には悪くない。
退廃的な悪の風味を出せそうな人だし。松禄の和尚は以前書いた感想と大
差ないのでこちらをどうぞ。おとせもまだちょっとこの人じゃあ頼りない
なあ...。

 三人吉三は大好きな演目で、しかも歌舞伎座に年一でかかるかかからな
いかの頻度でしか観られなくて貴重なのにどうして二回続けて染お坊に松
禄和尚なのでしょう?菊五郎のお嬢で同じランクの役者が脇を固めた「こ
れぞ三人吉三!」っていう満足の行く配役で観たいです。変わり配役はよ
くやる演目でお願いしたい。

 今月の顔ぶれだったら音羽屋のお嬢に播磨屋三津五郎の和尚、橋之助
のお坊あたりで観たかったです。まあ、なんというか、この幕の総括とし
ては、久々の歌舞伎座で久々に玉三郎を観たなあ、というところでしょう
か。