狐火の家 貴志祐介

 好みの大御所作家の作品は読み尽くしてしまった事もあり、最近積極的
に若手作家のものを読んでいます。いや、しかし!今回貴志さんを読んで
唸りました。文章巧っ!!本来この位が普通なのかもしれないけれど、新
人作家の後に読んだので本当に文章が巧くて驚いてしまいました。一定の
リズムがあって読み易く、説明も描写も過不足ない。プロの文章ってこう
いうのだよな〜〜。

 なつかしの防犯グッズ屋店長榎木と弁護士青砥が挑む4編。貴志さんお
得意の恐さは前面に出ておらず、バラエティに富んだ謎解きが続きます。
どれも難易度が程々で、考えれば解りそうなんだけれど、解らない。結末
を読んで「あ〜!こう来たか!なるほど!」と楽しめました。やっぱり貴
志さん面白い。いつ回って来るのかさっぱりわからない「新世界より」も
楽しみだなー。

 星3.7個。