2009年11月 新橋演舞場花形歌舞伎 昼の部 その一

 歌舞伎は高い席で1回観るなら安い席で3回観よう!と思うので普段は3
階席専門なのですが、な、な、なんと、今回一階12列目のドまん中!急遽
行けなくなったという親戚から招待券を譲って貰いました。

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 花道から亀治郎菊之助が舟で出て来た瞬間ひっくり返りそうになりま
した。ち、ち、ち、近ぇ!!1階席が久々すぎて、こんなに近いって忘れ
ていました。細かい表情がよく見えるだけではなく役者さんの息遣いが伝
わって来るというか、オーラが直接届くというか。3階席が「観る」とす
れば1階席は「感じる」だなあ。たまには良い席で観ないと、と思いまし
た。

 最近菊之助の立役がとっても良いです。以前は凛々しいさわやかな若者
という印象でしたが30代になって大人の男の色気が出て来ました。菊五郎
の直侍なんかを観ていて、もっと菊五郎が若い時に観たかったなあ、と思
いますが、菊之助が良い具合の年齢に育って来て、その夢をかなえてくれ
た感じです。

 亀治郎もこういう悪巧みする女をやらせたらピカ一ですね。光っていま
す。小万が良くないと締まらないお芝居だと思うし、女形のスターである
菊之助を立役に持って行って亀治郎をここに配したのは正解。ただ、亀治
郎の女形はいつも力強くて儚い色気が足りない気がします。

 愛兄。夜の部ではあまり感じなかったけれど、ちょっとコミカルな台詞
になると上方の匂いがします。微妙に江戸勢とはノリというか呼吸が違っ
てアウェーで一人年下の役者を牽引して頑張っている感。

 染高麗。ああ、こんなに沢山殺すんでしたっけ!凄い!色悪!似合うな
あ〜!父幸四郎より線が細いけれど、こういう役の時はその細さが吉と出
ます。

 松也はお父さんが得意だったんじゃないかなあ、という役。姿形の良い
彼には難しそうなコミカルで軽い芝居。主役の家柄ではないわけだし、恰
好良さよりもこういう面がこれからこの人には求められて行くのでしょう
か。

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 お昼はお気に入りの升本のお弁当。三越ジャイアン優勝セールだっ
たため「優勝弁当」という特別メニューがありました。いつものこの価格
帯のものよりちょっと豪華めで得した気分。釜揚げ桜えびがウマ!

 続く