2010年4月 新橋演舞場 陽春花形歌舞伎

 猿之助が舞台を退いてからこの一派とは遠ざかってしまいました。久し
ぶりに観る顔が一杯です。


 筋書に人物相関図が出ているのですが、親子、主従、横恋慕、などはわ
かるけれど、乗り移る、とか罵倒、って書いてあってウケる〜!相関関係
「罵倒」だよ!笑。

 宙乗り、早変わり、本水を使った大立ち回りとサービス満載。これでも
かと繰り出される仕掛けに猿之助一座なんだぞ、という気概を感じました。
物語も面白いし見せ場も多く良い演目だと思います。


 春猿が美しい!艶かしく美しすぎて、定九郎だよと言われても女に見え
る。今回実は定九郎が女でした、っていう設定なのかと思ってしまいまし
た。^^:

 右近が大奮闘です!狐忠信も継いでいる様だし、結局この一座のスター
は右近で決定なのでしょう。でも右近が頑張れば頑張る程猿之助不在感、
スター不在感が強くなってしまいます。二番手三番手が大勢で頑張ってい
る、という印象...。

 この一座、そもそも猿之助が自身の最盛期に集めた人材なので年齢層、
実力ともに似通ったレベルに固まっているし、中心に猿之助ありきで猿之
助を引き立てるキャラが揃っちゃってるのか。ちょっと惜しい。

 私が観た日は大向こうさんが一人もおられませんでした。長い観劇人生
で初かも。歌舞伎座が初日だったのでそちらに全員行ってしまわれたので
すね。宙乗りしても声がひとつもかからない右近は可哀想でした。私が男
だったら一発かけたかった...。