福家警部補の挨拶 大倉崇裕

 ふ、福家、酒強っっ!!!

 面白かったー!!! コロンボも古畑もイマイチはまらなかった私は倒
叙ものの楽しみ方が今まで良くわかってなかったのです。漸くわかりまし
たよ〜〜〜〜。^^

 人を殺す犯人。でも絶対に福家が罪を暴く前提なのでどこかで必ずミス
を犯すはず。「あ〜、それ、そこに捨てるなよ!」とか「その工作は裏目
に出るんじゃね?」と犯人に突っ込み。ここでまず一度美味しい。

 そして福家と犯人の攻防。よし、ここで攻めきれるかな、と思ったら一
度撤退、出直す福家。「まだか〜!次で詰めかな?」と思ったらまた駄目
だったり。犯人はどこでボロを出すのか!?というかけひきで二度美味し
い。

 倒叙ものでの読者は神の目線。普通のミステリでは最後までわからない
犯行の一部始終を知りつつ捜査を見守るこの快感!

 先に読んだ「福家警部補の再訪」では福家のエキセントリックな魅力に
はまったのですが、本作はまだその不思議さを発揮しきれぬ福家。地味で
普通です。でもただ者ではない謎解き役としてのきらめきを秘めている。
良いキャラクタ。次作熱望!!福家ファン宣言します!

 星4個。

 しかし節酒ダイエット中の私に酒蔵での殺人はキツかったぞな。